僕には愛人契約を結んだ愛人がいた。ここで言う愛人契約の意味とは、援助交際もどきの関係ではない。れっきとした本来の意味である愛人だ。 僕は、妻も子供もいる立場である。それ故に愛人を囲うリスクは知っている。だけど、僕は彼女のことが好きなのだ。 彼女は行きつけのバーの店員だった。そんなに愛想は良くなかったが、水商売らしからぬ知的さを感じさせる澄んだ雰囲気が僕は好きだった。 彼女を愛人として囲えたらどんなに素晴らしい日々を送れるだろうか、と僕は妄想を続けていた。 実は家族には内緒で僕は副業でそこそこの隠し収入を持っていて、冷静に計算してみると、愛人を世話できるだけの額はあった。 そんな折、彼女が今のマンションが古くなってきたので、そろそろ引っ越したいという話をしてきた。 そこで、僕はダメもとで新居の敷金と家賃を持つことを提案することにより、愛人契約の条件提示をしたのだ。 彼女は少し悩んでいたが、何と僕の申し出を了承した。もちろん、愛人契約の意味を知ったうえで僕の提案を受け入れてくれたのだ。 愛人契約 そこからはバラ色の日々だった。僕は出張やら残業やら家族にはウソをついて、彼女の部屋へと通い詰めた。 そして、夢にまで見た彼女とのセックスも実現できた。さすがに家庭がある身でもあり中出しまではしなかったが、それでも店で見せる以外の女の艶声は僕の興奮をさらにかきたてた。 彼女も愛人とは言え、僕のことを愛してくれていたのだと思う。もちろん、愛人契約はあったものの、契約の意味以上に僕たちは愛し合ったはずだ。 僕たちが終わったのは、彼女の妊娠が発覚したからだ。僕は避妊をしていたので僕の子供ではない。実は、彼女は僕と愛人契約を結びながら、本命の恋人は別にいたのだ。彼女は僕との愛人契約でお金を貯めて、本命のカレシと一緒に住むマンションを購入していた。 僕だって家に帰れば家族がいる立場だ。彼女を愛していたことは確かだが、究極の選択を迫られるのならば家族を取る。ただ、僕が考えていた以上に彼女は強かだったと言えよう。 彼女が出て行ったマンションを掃除しながら、僕はこれまで彼女に貢いだお金とその間に得られた幸福感を、どちらにも傾かない天秤にかけていた。 オフパコ オフパコの意味
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