愛人契約してた女がいたんだけど、その女、割と頭良かったんだよね。
お互いに愛人契約の書類作ってたんだけど、お互いサインして、お互いそれを持っていたわけなんだけど・・・
その女、愛人契約の書類の内容、後で書き変えてたんだよね。
付けたしてたっていうか。
愛人関係が三年以上になる場合、正規の婚姻関係とみなし、関係が解消する場合は財産分与を行う
この一文をつけたしてた。
それ、俺知らないじゃん。だから、別れ話になった時に、結局弁護士挟むことになったよ。
なんか、素直に財産分与してあげたほうが、無駄なお金使わなくて済んだんじゃないかと思えるくらい、色々面倒だった。
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愛人契約ってちゃんと書類にしたのがあだになったんだよね。
口約束ってだけだったら、何の法的拘束力もないから、俺だって強気でいられたけど、三年以上前の書類持ち出されて、「ちゃんとここに書いてある!」って言われると・・・
こっちの記憶もあいまいだし、確かに書類にサインしたのは俺だし・・・って向こうがかなりガンガン攻めてきたから、弱腰になっちゃったわけ。
それに負い目もあったからね。
ほら、愛人契約って言っても、法的には認められない関係でしょ?
そういう曖昧な立場に縛りつけておいて、女性の一番有利な時期を無駄に過ごさせてしまっていた、という意味においては、俺は罪作りなことをしたと思う。
その自覚があるから、余計になんか彼女と戦って勝つ!みたいなモチベーションが沸かなかったの。
結局、男が泥をかぶる結果に落ち着くのが愛人契約ってシステムだと理解した方がトラブルが長引かないと学習した。
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