不倫の慰謝料として請求された額は97万円だった。ああ、税別ですからね、とヤツがニヤリとしながら念を押す。 確かに僕は不倫をしていた。この男の奥さんだった人とはセフレだったのだ。僕は彼女が人妻であることは知っていた。だが、愛し合っていたわけでもなく、この男から寝とる気もなかった。単なる遊び相手の一人だったのであるし、今は会っていない。 人の妻と知ってあなたは彼女の心を弄んだんですよね、とヤツは言う。ヤツは妻が浮気をしていたと思い込み、問い詰めたところ離婚に至ったそうだ。そして、妻を失ったヤツはその怒りの矛先を不倫相手だった僕に向けてきたのである。 とんだとばっちりである。彼女も遊びだったはずだ。僕には彼女がヤツに離婚届を突き付けた理由がわかっている。僕は散々彼女からこの男のことを聞かされていた。家にお金を入れない、引きこもってエロ動画ばかり見ている、チンコがクサい・・・など不平不満のオンパレードだったのだ。だから、僕がヤツに言いたいのは、離婚に至った理由は僕ではない。自分の胸に聞いてみろ、だ。 不倫がばれないようにする方法 だが、人妻と関係を持っていたことは決して褒められることではなく、正当化する気はない。不倫は不倫だ。だから、真っ当な理由で真っ当な人間に不倫の慰謝料を要求されるならば、ちょっとはこちらも反省の余地がある。ただ、ヤツは別だ。出るところに出てもいいんですよ、と言うが、係争になって勝てるとでも思っているのだろうか。 公になってもいいんですかね?と意地が悪そうにヤツは言う。いや、悪そうではなくて本当に底意地が悪いのだろう。いっそ、金を払って楽になろうかと思ったが、それも何だか悔しいし、金額もべらぼうだ。イマドキ援助交際でも97万円はしない。せいぜい3万までだ。そう言えば、どうして97万なんて半端な額なのだろう?100万なら100万とかキリの良い数字にしないのか。すると、ヤツはこう言った。 「ああ、調べたところ援助交際って3万円くらいですよね。その分は割り引いてあげますよ」・・・そんなんだから離婚されるんだよ!! セフレ探し セフレ探し
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