【詩と解題】
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[165]spica1004
KY-42C
【肯定】
ひとりで生きる覚悟をきめる時かも
変わらないものは無いと受け入れよう
平坦な道を選ぶ後ろめたさ
慣れてしまったことを少し悔やむ
心の岸辺を静かに舟は離れ
美しい月に酔い 世界にうなずくのだ
言葉を閉じた人を
卑怯だと思うなかれ
いっそ見習うべきだ
善悪は背中合わせ
だから
─────
─────

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[164]spica1004
KY-42C
【オーダー】
茜に染まる 古ぼけた街
君と出会い 君と別れ
つまり夕暮れ
儚い夜の 短い夢に
心乱す ことはないさ
明日は光る
何度も経験しても恋は苦くて
無邪気な憧れじゃつまらない
「ベースはジンで ほどよい甘さで」
いつもの店 いつもの席
ただし一人さ
──────
──────
「スパニッシュ・コーヒー」の旋律で歌えます。

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[163]spica1004
KY-42C
【国東】
仏のみ手に抱かれて
山里深く眠る
明けない夜は無いことを
誰もが疑うことなく
ここでは 鬼も神となり
仏は 人の隣
永遠の命を石に刻み
幸せがあふれる
─────
─────
[ロンドンデリー・エア]の旋律で歌えます。

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[162]spica1004
KY-42C
【とも子さんが歌ってくれた子守唄】
とてもあなた疲れてるみたいね
みんな投げ出しておやすみ
あとは引き受けたわ
ほんとは狭い枠しかないのに
いらない心が無駄に拡がる
あなたはもっと狡くなればいい
──おやすみ おやすみ
わたしは
──おやすみ おやすみ
どこまでも
ともに歩ける
──────
──────

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[161]spica1004
KY-42C
【鋼玉】コランダム
少女は
母の持ち物の指輪を
そっとはめてみる
誰もが
そんな悪戯を
通って生きてきたんだね
臆病とか怯懦とか
どうでもよかった航跡
★
扉を開けた 三面鏡
禁忌と慚愧 交差する
残酷よりも甘美な血
蒐めて輝く宝石
恭順とか彌縫とか
どうでもよくなる光量
─────
────

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[160]spica1004
KY-42C
【しのぶの休日】
お気に入りのティーポットで
熱い紅茶を淹れ
今日は一日パジャマのままで
過ごしてみたい
こんな朝はCHOPINでも
弾いてみようかしら
机の中の古いcarte postaleを
読み返したら
もったいない時間の使いかたでしょ?
だれかを忘れるには一番いいわ
私を誤解しないでね
たまには机投げるけど (・・・・!?)
まどろむような休日は
正しいレディになるのよ
当然
◆
とっておきのブラウスに
赤い靴を合わせ
借りたばかりの図書館の本
胸にかかえて
遠回りをしようかな
曲がり角の家に
青く小さい凛々しい花が
咲いてないかな
普通の女の子の感じかたでしょ?
憧れ続けるには一番いいわ
私を誤解しないでね
確かにヤキモチ妬くけど
情緒のある告白なら
きちんと受け止めてあげる
勿論
─────
─────

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[159]spica1004
KY-42C
【みずうみ】
湖が光るとき
騒ぎだす心
つながれ揺れるボート
遠くの水鳥
声なき水底
雲の姿に焦がれ
かすかに波が立てば
何かの責めに気づく
半分泣いた私
二度と会えない
家族
◆
湖が眠るとき
夢魔がやってくる
月が出ない夜だけ
深く眠れるよ
レーテに赴く
人の多さを嘆き
歪んだ笑み浮かべ
手紙を読み終える
まるで完全犯罪
心の奥の
安堵
────
────

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[158]spica1004
KY-42C
【微力な私だって】
プリズムに集めた
アポロンの光
古代の文献の
知識をあげよう
植物の言葉を
学びとるたびに
細胞の賦活を
認知するだろう
君の愛に寄与する
何かがあれば
微力な私だって
報われるはず
◆
つまづきの小石を
恐れないために
コリオリの力を
体幹に流せ
見慣れたスペクトル
飽きずに観るなら
知恵の梟(ふくろう)は
夜明けを待つだろう
君が愛するものに
色がつくなら
微力な私だって
報われるはず
─────
─────

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[157]spica1004
KY-42C
【signal】
停まろう
そして 泣き腫らそう
とめどなく
どん底で
不確かなものを
意味のないものを
集めてしまえ
夜は優しいと
思えるうちに
◆
歩こう
そして こだわるな
振り向くな
手遅れだ
役に立つものは
価値のあるものは
換算された
朝はまた来ると
信じるだけだ
────
────

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[156]spica1004
KY-42C
【若者たち】
若者たち 影を見つめ
何を恐れるのか
若者たち 無作為でも
未来はやってくる
きっかけさえ掴んだなら
あとはどうにかなるもの
まるでゲーム 空間には
多すぎて困る 選択肢
◆
若者たち 唇噛み
何を悔やむのだろう
若者たち 運命とは
否定されるものだ
AIは敵でなく
友達でもない
見限れよ 多次元の
便りにならない 航海士
────
────

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[155]spica1004
KY-42C
【コバルトの時間】
過ぎた時を数えて
ひとり見てる空
光が射す一瞬を捉え
焼き付けておこう
夜明けの空が好きよ
あなたがいるから
どんな遠い涯までも
見えるようになりたい
重ね着をしていたあの頃の
思い出なら星座の形になれ
あなたと見ていたコバルトの
時間たちを閉じ込めておくから
▼▼
秘密の愛 数えて
ひとり見てる空
天使なんていないことを
記録しておこう
夜明けの空が好きよ
心を刺すから
強がりでもハッタリでも
拡散させてやりたい
化粧なんてイヤだったあの頃の
思い出なら星図を作り変えろ
目を閉じていても見えてくる
記憶たちを眠らせておくから
──────

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[154]spica1004
KY-42C
【星】
深遠の空を飾る星を見上げ
私のために泣いてくれる人よ
休んでください
眠ってください
私は 私を 生きます
★
悲しむことをやめない人がいても
私にできることは少なすぎる
許されなくても
償えなくても
私は 明日を 生きます
★
淋しい音楽 誰か聴かせてほしい
私に似合うと 誰もが言うほどの
世界を流れて
時間をほどいて
私は 自分を 生きます
────
────
すっぽりと記憶から抜け落ちていた旋律を、ふと思い出しました。
────────────

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[153]spica1004
KY-42C
【ノスタルジア】
悪意だけで書かれた小説
読み飽きるのは仕方ないこと
特別なこと何もない
逃げ出す理由を思いつかず
また誰かにつながりたくなる
私に価値はあるのかな
──人々が暮らしてる
この町で暮らしてる
それだけで涙を流す
嘘はどこにもない
◆
何を優先すればいいのか
損失を恐れすぎてないか
誰かに確かめたい
もどかしいぐらいの生きかたを
実践できるなら幸せだ
跳びたい もう一度
──人々に許される
私でも許される
それだけでうずくまるから
闇は訪れない
─────
─────

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[152]spica1004
KY-42C
【candle】
ゆらめく炎に陶酔したい
そのまま時間を巻き戻したい
解けない謎でも切り捨てられず
戸惑う指先 明日が見えない
夜明けは誰でも恐れるもの
息を潜めても見つけられる
心変わりという魔物
に
★
ひろがる光に反逆したい
殺した感情 喧伝したい
乱れた歩調はもう戻らない
隠蔽するのも楽ではないし
決意は誰でも躊躇うもの
体温があるなら検知される
心変わりという魔物
に

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[151]spica1004
KY-42C
【握手】
憶えていますか
出会えたあの日
忘れないですか
私のことを
仕方がないとか
みんなそうだとか
慰めの言葉の
意味を探します
さよなら あなた
さよなら あなた
元気でいてね
元気でいてね
───
───

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[150]spica1004
KY-42C
【コバルトの時間】
過ぎた時を数えて
ひとり見てる空
光が射す一瞬を捉え
焼き付けておこう
夜明けの空が好きよ
あなたがいるから
どんな遠い涯までも
見えるようになりたい
重ね着をしていたあの頃の
思い出なら星座の形になれ
あなたと見ていたコバルトの
時間たちを閉じ込めておくから
────
────

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[149]spica1004
KY-42C
【幼馴染み】
「遠くに行きます
もう会えないでしょう」
無感情なんて
こんな静かなんだ
思い出が多すぎる
幼馴染み
始まりのない終わり
それが今日だね
すべて 偽り
しかし 約束
◆
「最小の揺らぎで
別れていきましょう」
大人になれたことに
感動するんだね
時間では縛れない
幼馴染み
背伸びした報いとは
思わないけど
すべて まやかし
そして 本質
─────
────

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[148]spica1004
KY-42C
【現川】うつつがわ
「川が削った谷」という意味の地名
飾らない町 あなたの町
記憶が曖昧になりそうで
僕はこうして戸惑いを歌にする
あなたは
晴れた冬の午後は
どうしてますか
◆
夢をくぐるようなトンネルの先
したたる緑 笑う緑
意識が朦朧となりそうで
僕はこうして足早に歩き去る
あなたは
こんな僕のことを
理解しますか
─────
─────

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[147]spica1004
KY-42C
【処方箋に喩えたい】
悲しみが膨らみ
手に負えないならば
目を瞑ることだ
何も見ないことだ
許しあう人もいるけれど
私は呪文を明かさない
◆
痛みは果てしなく
心を押し潰す
逆らえないならば
力を抜くことだ
愛しあう人がいた頃の
私の履歴は明かさない
────
────

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[146]spica1004
KY-42C
【蝶の水平線】
遠い夢を追って
飛んでゆく白い蝶
誰か顧みないと
約束は朽ちていくだけ
なすすべは無い
宿命の旅
理由も知らず
終わりも見えず
◆
それを業と呼んで
放置する賢者たち
定義することだけで
悲しみが薄れるものか
だけど僕にも
わからないんだ
言葉の檻に
鍵は無いから
──誰か顧みないと
──約束は朽ちていくだけ

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[145]spica1004
KY-42C
【過呼吸】
荒れ果てた夢を歌いましょうか
今の私にいちばん合う歌を
淋しい時でも笑ってられる
器用な私を許さないで──
止まらないし 止まれない
衝動があるから
過呼吸の愛もあると
慣れてしまった
声をあげて
泣けばいいのに
★
罪なんて概念があるうちは
既製品の幸せばかり
それでもいいとみんな諦め
箱庭から出ようともしない──
笑わないし 笑えない
勝算もないから
過呼吸の愛もあると
肌が覚えた
息をひそめ
生きていくのか
────
────

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[144]spica1004
KY-42C
【鑑定】
あなたが撮った写真には
あの子への愛が見える
否定するほど深くなる
疑惑も計算したのね
あなたを信じていられるうちに
自分の立ち位置決めてほしい
★
あなたが描いたメモの字で
秘密にしたい愛がわかる
現実はしかたないよね
誰が悪いわけでもなく
視線の温度を測れるうちに
私の値打ちを決めてほしい
─────
─────

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[143]spica1004
KY-42C
【彗星】
嘘をなぎ払うように
夜空を走り抜けたい
やめてよ 虚しくなるわ
あなたの夢は空想
二人の間を交差して
波動が伝わる
信じられるものはみな
信じ尽くした
★
戻る場所なんてない
ひたすら走り抜けたい
笑える日が来るかもね
どちらか 星になったら
二人の間を縦横に
思念が飛び交う
愛すべきものはみな
愛し終わった
────
────
冷静な分析ができる「愛の終わらせかた」。
そんなもの、あるのでしょうかねぇ?

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[142]spica1004
KY-42C
【海峡】
海の記憶を拭い去りたい
ひたすら自由を求めていたい
海鳴りからは背中を向けたい
みじめで卑しい笑顔は見せまい
原始の海は
母につながり
やがて静脈になる
深く澱んだ静かな呪縛を
誰も解毒できない
★
海の匂いを中和してくれ
僕の悪意を暴露してくれ
君の涙が両手に溢れ
偽りの神ここに鎮まれ
ここは海峡
いまなら間に合う
命をゆさぶる
強く重い確かな禁忌を
回避できないままに
─────
─────

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[141]spica1004
KY-42C
【あなたとはいつも】
とれたての葡萄
口にしたような
すがすがしい朝
青空に笑顔
響きあうでしょ
街と人が
風を集め うまれかわる
明日を探し うまれかわる
あなたとはいつも
ここで会っています
★
まどろみの丘で
歌を作りました
ありふれた言葉
なつかしい旋律
気づかないでしょ
私の愛
小さすぎて 声にならず
形がなく 目に見えない
あなたとはいつも
夢で会っています
────
────

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