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melty/poet

21/1462人の文学少女に読んでいただきました。
【詩と解題】
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[62]spica1004 KY-42C

【東北】


夕暮れまでに帰れよと
我が子に叫ぶ母がいた

故里の冬
 
帰ろうか
 帰ろうよ
  帰ろうか
   今のうち  
東北へ

地面の匂い
時となく
雪をちりばめ
混じりあい
指を凍らす

雪が降る
 雪が降り
  昔いた
   人を呼ぶ  
東北へ

心に深く
突き刺さり
敗れた者を
認めない
故里の冬

心を遠く
突き離し
敗れた者を
許さない
故里の冬

──────
──────

故里を離れて生活したことがない。

60キロ離れた町に転勤させられ、独身寮に住んだことはあったが、週末には車で帰ってきていた。(洗濯物を載せて)

想像のなかの故里は、優しくない。
というより、最悪の故里を想像(創造)することで、現実に甘えようとしているのだろう。



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[61]spica1004 KY-42C

【オレンジ・アワー】


午後の花園には透明な愛が育つ

けれども熟さないうちに
夕暮れの風がすり抜ける

──それはオレンジの時間
僕によく似合う光

勇気と力を欲しがれ
拳を握れ さりげなく

思い出は音楽にまかせて
もう一度翼を試そう

思い出せ 真実の痛みに寄り添う微笑ほほえみ



手紙ひとつ書けず
遅咲きの花も終わる

そうして暦が替わると
短日植物たんじつしょくぶつはじけだす

──それはオレンジの気候
僕の土壇場の祈り

自分に自分を投げ出せ
のたうち回れ 笑いつつ

伝説は役に立たないから
もう二度と言い訳はするな

見苦しい愛もあることだけ
わかっていればいい



──それはオレンジの効果
僕の初歩的な希望

秘密も本音も疑え
暗中模索 もがくだけ

ホラ吹きがはびこる時代に
翻訳の聖書はいらない

沈黙が罪でないことまで
宇宙に誇りたい

─────
─────

ユーミンの「コバルト・アワー」というタイトルに惹かれて、曲を聞いたこともないのに、着想を得ました。

短日植物など、よく定義も知らない言葉を使っていますが、
いろんなアイロニー(皮肉)を駆使してみました。



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[60]spica1004 KY-42C
【琥珀】


記憶を
地図の上で確かめ
印を打つ謎解き

あなたはどこなのか
(わからない)

地底に潜む琥珀の嘆き

声にならぬ愛

黄金を掘る人の
砂のような涙を
吸い上げ色を

琥珀たち



再び
のみをふるう旅人
疲れ果てる神々

あちこち掘るけれど
(出てこない)

息を詰まらせ
のけぞる人の
最後にあげる声

殺され埋められた
命の集まりが
固まり色を獲る

琥珀たち

────
────

陰鬱な曲ができたので、陰鬱な歌詞を嵌めました。

琥珀って、神秘ですか? 呪縛ですか?



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[59]spica1004 KY-42C

【月が走る】


夜を走るなら
月に背を向けろ

けばだつ心に
月は優しすぎる

くさびを打ち込め 
胸の真ん中に

呼び捨てにできる
名前はもうない

澄みし水よ
光を受けて
翳る心に灯る
歌に変われよ

みな幸ある人でいるか

流れにまかれる影でないか

そこは寒いのか
温もれないか



誰も顧みぬ
僕の歌だから

誰も顧みぬ
君のために唄う

鏡よ砕けろ 
正義を示すなら

翼を得るとき
僕は駄目になる

澄みし水よ
光を受けて
かたち残すものの
挽歌になれよ

失うものはせめて少なく

見落とすものはせめて小さく

そこは遠いのか
触れあえないか

────
────

修学旅行で行った渡月橋で曲が同時にできた。

詩はかなり修正している。

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