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melty/poet
14/1475人の文学少女に読んでいただきました。
【詩と解題】
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[10]spica1004
KY-42C
【音無町──The wind is on my side──】
緑の風わたれば
ひと息で何度でも
君の名前を呼べるだろう
ひとりでいる休日
幸せは冬日の青空
君に会いに
話をしに
風を味方につけて
音無町へ
走り抜けろ!
ミームだけが届いていた
近いのに遠い町
音無町も
青空だろう
───────────
ミーム_meme…文化遺伝子。非物質的文化を伝播させるものとして仮想された。
―――――――――――
大学生時代に、サークル活動によって急に広がった行動半径。見知らぬ町から来た、新しい友達。
今日は音無町方面へ行く用事がある。そこのアパートにいるポニーテールの後輩に偶然会えないかな?
自転車は追い風に乗って加速する。

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[9]spica1004
KY-42C
【舞鶴】
まだ明けぬ暁に
窓を叩く風
海へ続く小道に
鶴の羽が散る
忘れないでほしいと
思うような人
鶴が輪を描くように
別れ告げた人
飛ぶならば速く飛べ
見るならば狭く見よ
小さすぎる翼は
かなぐり捨ててしまえ
★
いたのよそこに鶴が
……信じないでしょう
谷へ吹く風に乗り
ゆるく去っていった
くぐれる虹はあるの?
弱気な鳥には
幸ある人はいるの?
愛さない人に
あとから悔やむよりも
今この時始める
雲よりも高く飛び
あの鶴を驚かす
どこまでも飛んでいく
──────
──────
地名に触発されて書いた詩。
彼女が住む海辺の家は複雑な地形に取り囲まれている。

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[8]spica1004
KY-42C
【何度でも歌う】
心はいつも
嘘を重ね着して強くなる
逃れられないならば
何度でも歌う
虹をくぐる鳥よ――
黄泉を恐れぬ蝉よ――
その閉じた目で
私のために泣いて
★
記憶を秘めた螺旋を
刃物よりも恐れてる
冬に蒔かれた種の
契りを疑う
海をわたる蝶よ――
枝を棄てた鳩よ―― ※
その醒めた目で
私の体を見て
――――――――――――
※……ノアは洪水のあと、鳩を放つ。水が引いていないうちは、オリーブの枝をくわえて帰ってきた。

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[7]spica1004
KY-42C
【筑紫野】
懐かしむような
イナサの風が吹く
筑紫野に春の花を呼ぶ
アヅミの心に刻まれた
あえかなサナギの謡(うた)
歌わせる
――旅人は故郷に立ち止まらない
――風待ちは必ず終わる日がくる
――ワタツミは潮路に舟霊を招び
――神々を小舟の舳先に祀る
海の果ての
邪馬台(クニ)を目指せ
天ツ筑紫野は
弥生の風のなか
──────────
イナサ……南東の風。
アヅミ……安積族。海洋民族。
あえかな……消え入るような、
サナギ……銅板を丸めた楽器。
ワタツミ……海洋民族の総称として、すべての日本人の共通の祖先のイメージとしてこの語を置いた。

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