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melty/poet

14/1444人の文学少女に読んでいただきました。
【詩と解題】
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[107]spica1004 KY-42C


【廃墟の春】


すべて燃えた
すべて消えた

深い悲しみから
生まれた「いのち」

ひとしずくの
露のなかに

ちいさな胞子が
つくられました

春がきました

★ 

誰もいない
誰も来ない

黄泉の国のような
静寂しじまの朝に

鳥が鳴いた
一羽だけで

たった一羽だけで
鳴いていただけ

春が来ました

────
────



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[106]spica1004 KY-42C


【筑後川】on the mark


遠い日は広い河の岸で悔し泣きしていた

キラキラと憎いほどに

河はまぶしく光ってた

僕はやがて ずるいことを覚える

だけど待とう
濡れたシャツを冷やす風

歌を創れ 歌に還れ

軽い羽を取り戻そう

いま心のon the mark

───────
───────

ずるいこと……悲しみに正面から向き合わず、妥協して生きていくこと。

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[105]spica1004 KY-42C

【力を欲する者たちは】


大袈裟なほどハンドルを切る
水面に刺さる大粒の雨

いつか見た空 思い出せない
ひとりで探す私の希望

力を分けてくれるなら
たとえ悪でもかまわない



泣けばよかった 泣けた季節に
まぶしいほどに過去は輝く

切れ端ばかり集めたような
意味のない都会まち走り抜けたら

力でねじ伏せてしまえ
名前で呼べるもの すべて

力で滅ぼしてしまえ
言葉にできないものまで

──────
──────

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[104]spica1004 KY-42C
【西の風が吹くとき】


すこし 窓を開けたらいいね
あの町が見えたなら

もっと 心開いてみよう
優しさに会うために

海沿いの道を走り
トンネルをいくつか抜けて

懐かしいダイヤルで
懐かしい声を聞こうよ

西の風が吹くときは
心はやるから

これ以上無邪気には
なれない

そんな気がする 



そうさ 嘘をやめたらいいね
あの人に会えたなら

そして 大きな声で言おう
“諦めはしないよ”と

季節より早い風と
降りそそぐ星を味方に

憎いほどの自信で
懐かしい肩を抱こうよ

西の風が吹くときは
心はやるから

これ以上素直には
なれない

そんな気がする

─────
─────

ダイヤル……この場合はカーラジオ。

独身寮から60キロをドライブして週末ごとに実家に帰っていた頃の話。

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